株式会社オープントーンでは本年度より定年廃止に向けて制度整備を行なっています。また、採用時の生年月日の入力は数年前からできなくなり、60代の未経験も採用しています。今年さらに定年廃止に取り組む理由は、いくつかあります。
- 人口減少社会におけるITエンジニアのさらなる不足
- 少子高齢化社会における社会保障費の問題(65歳以降、年金と貯蓄だけで生活の保障を期待しない)
- 生涯にわたるやりがい、生きがい。健康寿命の伸長
・・こうした問題に対して弊社ではシンプルに「65歳以上でもアウトプットの分だけもらう仕組み」が維持できれば定年を廃止し、八十でも九十でも「活躍に見合う対価」を受け取るような仕組みができれば、会社・労働者双方にとって有為であると考えました。
”「活躍に見合う対価」を受け取るような仕組み”ために、当社では「上司の嫌いな人が普通に昇進する仕組み」(笑)を目指して”客観的な評価制度”の構築に3年に渡り注力してきました。具体的には評価制度では「客観的な評価」+「実際に果たしている役割」で理論年収が算出される仕組みです。 ※図1

図1
- A.「客観的な評価」のために、300項目にわたる評価項目と基準を定めました。 ※図2
- B.「実際に果たしている役割」(ロール:アーキテクトや、PM、セールスマネジャーなど)とその基準を定めて任免を実施しました ※図4
- C.全部署、全社員の数値を公表し、分析可能にしました。 ※図3

図2

図3
そして、これらの評価を自己評価と上長評価双方つけ
- 人事を交えて面談(リーダー、課長)し付け合わせます。
- 2次上長(役員部長)と再度面談し社内の公平性を担保。
- その評価結果は全社員に公表し「概ね」出された配点に従って「理論年収」を算出し、それを加味しながら昇給・降給を行う。

図4
原則、賃上げで5年ほど運営していますので、昇給が中心ですが、制度上役割や責務、成果が減れば、降給する仕組みにしています。この「降給」する仕組みが最終的に「定年廃止」に紐づきます。従来の勤続年数で待遇が決まる評価制度では、上げ続けるわけにいかないので、65歳程度の定年で一度リセットして報酬を決め直す必要がありました。
しかし、評価制度を整備し「UP・DOWN」を適宜可能にしたことで「年齢(勤続年数)を切り離して評価をおこなう」ことが可能になりました。結果、エントリーシートの生年月日も廃止して、定年も廃止していけるとこになった次第です。同時に、これらの評価基準や制度の運営を社内の現場やリーダー層の意見を柔軟に吸い上げて改善し続ける仕組みを構築しています。
今後も、株式会社オープントーンは年齢はもちろん、国や地域、人種や性別を一切廃したダイバーシティ経営を続けるのであれば「評価制度の整備」が必須だと考えて取り組んでいきます。