なぜソフトウェア産業を志したか。同じようになぜ多くの人に目指してもらいたいか。
まずもっとも単純に説明しよう。おそらく、少なくとも自分が思う限り最も確実に
「成功」をする方法だからである。
世の中には「成功」とされる定義がいくつもあり、その方法も多数多岐にわたる。
しかしながら、ほぼ共通しているのは、最終的には自分の生み出したものが世間、あるいは世界に評価されるということである。
その「大きな評価」はビジネスの世界では十分な金銭的対価によってあらわされることになる。
このとき、実はソフトウェア産業は、非常にの「成功」に到達しやすい部分がある。
・初期資本を用意する必要がない
工場の建設や農地の購入、店舗の展開、初期の仕入れなど
・高度技術という参入障壁がある
実はそれほど高度でないのだが、些少の壁があるのは事実
・業界自体が未成熟
不安定な分、逆にチャンスも多い
・まだまだ市場拡大の余地はある
作らなければならないものは多い
・既に社会に必須のインフラである
市場が泡沫のように消える事はない
そしてさらには、その小資本(究極的には個人のプログラミングセンスを対価として)はじめに言った「大きな評価」を得ることに近づきやすいのである。
単純に裸一貫で鉄道王や、石油王、炭鉱王、ホテル王などになるために必要な初期資本やコネクション、ノウハウなどを得る方法を現在のビジネスマンは思いつかない。
逆にラリー・エリソン氏やビル・ゲイツ氏のようになりなさいといわれればまだ「空想」が可能ではないだろうか?例えば「アイディアさえあれば私も・・・」と思う人は多いはず。
事はそれほど単純ではないが、そう思えることは重要ではないだろうか?
「僕もあんなふうになりたい。そしてなることができる」という、子供のような夢想を描けること。そしてその憧れの実現可能性があることは業界の魅力にとって重要であると思う。
多くの若い人になぜこの業界を薦めるか。それは貴方が思う成功の形を現すことが比較的容易だから。
巨大な資本や、歴史的な長さでトラディショナル・カンパニーが積み上げたようなノウハウやコネクションがなくても、それと同等のビジネスの評価を得る可能性のある業界だからである。
多くのソフトウェアに携わる者が思うように、その「大きな評価」を得る可能性が誰にでもいつでもあるのである。
私が望むのは自分達の生み出したこの企業が「大きな評価」を得る可能性のある場所であること。
その恩恵が、会社に関わるものにいきわたるような企業であること。
自分が社会に貢献することで、その名を歴史に残せる可能性があるということは「まだまだ諦めていない人」にとっては重要な事実なのである。