検索対象:

ITをツールとして、顧客のサービス創造の一助となる

オープントーンサービス開発室では、顧客の業務遂行上の課題を「ITを使って解決すること」をミッションとしております。
今回、多くの公益・社団法人などが使う社会保険に関わるポータルサイトの構築支援をさせていただきました。
利用者数も多く、ミッションクリティカル性も高い案件です。

その事案を通して、顧客と一緒に「新しいサービス」を立ち上げる面白さと難しさをご紹介させていただきます。


岡本 健
サービス開発室
金田 賢太郎
サービス開発室

プロジェクトストーリー 02

サービス開発室

Project Data

プロジェクト概要

 社会保険に関連するポータルサイトの構築技術

技術

 WebでのMVCフレームワークを用いたオブジェクト指向言語
(※機密保持契約により非公開)

開発体制

 プロジェクト参加数(協力会社を含む)
 開発メンバー数20名(プロパ3名)

規模感

 200人月以上


まずは今回の案件の概要について教えて下さい。

金田:新たな国の施策により、多くの公益法人・社団法人が取り組まなければならない課題が発生しました。
その課題を解決するために、新たなサービスとして「Webポータルサイトを構築する」という内容です。

今年のマイナンバー制度導入もそうですが、新たな国策は新たなビジネスが生まれるきっかけとなります。

そもそも今回の案件は、そうした国の指針に従って、新しいサービスを立ち上げるという一大プロジェクトでした。
そうした顧客サービスの中長期的な存続に関わる事案の提案・企画から携わらせて頂きました。

顧客にとっても当初は「作りたいもの」の姿がはっきりとは見えていない状態だったんですね。

岡本:そうですね。当初はそれこそ、国の方針・指針があって、そこに顧客のぼんやりとしたイメージがあるだけでした。
顧客の内部でも、営業や開発といった各部門ごとに様々なイメージが散在していました。
当社からは「ポータルサイト」のありようや、そのための技術・ノウハウは提供できます。

が、「新しい国の施策を新しいサービスで実現する」ノウハウは誰の手にもまだありません。
ですので「要件を決める」というよりは「顧客と手探りで要件を探し出す」取り組みだったと言った方が近いかもしれません。

金田:従来より、われわれサービス開発室の取り組みとしていることがあります。
こうした「顧客とのパートナーシップの元に一緒にサービス・システムを作り上げていく」という観点での取り組みです。

よく「顧客とともに」というフレーズは聞きますが、実際にはどのように進めたのですか?

岡本:まずは何度も打ち合わせを重ねました。
要件定義から顧客と二人三脚で進めてきました。
たくさんドキュメントを作って進めるのではなく、何度も対面して顧客と一緒に煮詰めていきましたね。

一時は顧客に常駐のような形で要件を詰めていました。
ベンダーの立場でありながら、顧客内の複数の部署が参加されるようなプロジェクト全体会議にも参加させてもらいました。

そうした中では苦労もありましたか?

岡本:顧客といっても、顧客内にも様々な立場があり、目的・目標があります。
そうした中、最終的にどういう形になるのがベストなのか、答えはそう簡単には見つけられません。
会議を通して多種多様な意見をヒアリングし続ける。
それを理解して、最適な形としてまとめることには大変苦労しましたね。

例えば、システム部門は今後のためにしっかりリファクタリングをして、メンテしやすくしてリリースをしたい。

金田:でも営業部は一日でも早くサービスインしたい。(笑)
要件定義だけではなく、本来、言語やツールの選定もかくあるべきだと思います。
お客さんと一緒にプロジェクトのゴールを見出していく中で、最適なツールを選定する。

岡本:今回はJavaで、とあるOSSフレームワークなどを使用しています。
顧客との打ち合わせを重ねていく中で、最適な技術を選定したつもりです。

苦労の中でもサービスインは順調にできたのですか?

岡本:順調・・・というのが何を指すかですが(笑)

金田:やはり納品前はメンバーや協力会社さんの稼動も厳しかったですね。

岡本:いずれにせよ、無事サービスインにこぎつけ、今では顧客の主力サービスとして多くの大規模なユーザーにご利用いただいています。
納品が完了した今も、機能の追加や改善もあり、受注は継続されています。
更には、新たなサービスとの連携についての相談を頂いたり、実際に打ち合わせにも呼ばれたりしています。

苦労を超えるやりがいはどのあたりでしょう?

岡本:やはり新しいサービスの立ち上げに関われたことです。
私自身、前職では二次請けのベンダーで勤務していました。元請が作成した要件・基本設計に沿って開発を進めてました。
それはそれで気が楽な部分もあります。

ですが、自分たちのしていることが本当に役立っているのか。あるいは、顧客にとって本当に最善の機能なのか。無駄に見えるような機能が存在するその背景は何なのか。
そうした当たり前の疑問に対して、顧客と真摯につめてゆけるのは、格別なやりがいがあります。

また、誰かにとって本当に必要なんだという背景も理解することができます。そうすると「良い仕事をしよう」という高いモチベーションが自然に湧き上がります。

そうした顧客との深いパートナーシップの先に、システム開発のどういう未来を見据えていますか?

金田:今回は新しい国策の元、顧客と新サービス作り上げるという取り組みをさせていただきました。
当社はWebシステムの専門家として、そのウハウを惜しみなく顧客に提供し続けていきたいと思います。

岡本:実際、開発の際も顧客が他のベンダーにも協力を依頼したり、自社の社員でも保守改善が可能なような構造をアーキテクチャに選定しています。
OSSフレームワークだったりテストコード等を、顧客や顧客と取引のある他ベンダーでも使用可能にしています。

SI業界では保守やメンテナンスを開発会社に頼らざるを得ないように、フレームワークやツールを自社製で囲い込むことが多いのに珍しいですね。

金田:私たちはそれで良いと思ってます。
私たちが掲げているミッションは「ITやWebでの顧客へ価値を提供すること」です。
顧客へ価値を提供し、それに見合った対価を頂くという姿勢でいます。
もっと言うと、開発費なんてかけずに運営出来ればそれが顧客にとって一番良い事だと思います。

もちろんビジネスですから、売上数字は追いかけますし、マネージャーは無論、メンバーにも意識をさせます。
ただ、代表も常々言ってますが、「お客さんが困れば困るほど、ベンダーが儲かる」という利益構造にはしたくありません。

ベンダーである当社が継続受注が出来なくなったとしても、顧客からすれば「コストカット」「ITに関わるノウハウ」という価値を得られたことになるでしょう。
そうした価値を、顧客へ提供し続けられる会社でありたいと思っています。
また、そんな当社だからと顧客から信頼を得られているのでしょうし、新たなお引き合いを頂けるのだと思います。

そうした姿勢を貫かれている中で、今後入社される方にはどのようなことを期待されますか?

金田:仕事を進めるにあたって、「顧客の視点」は常に持っていて欲しいと思います。
「どうしたら顧客は幸せになるのか?」「どんなことに困られているのか?」「実現したいことは何なのか?」等々。
もちろん、自分の身を犠牲にしてお客さんのために働いて欲しいなんてことじゃありません。

技術や知識は後からでも身に付けられます。
まずは、顧客ありきの視点を持てる人を歓迎したいです。
そうすると、自ずと「顧客に提供できる選択肢を増やしたいと」いう思いも生まれるでしょう。
そんな思いから自発的に情報収集をするようにもなるでしょうし、視野もどんどん広がっていくと思ってます。

岡本:もちろん、顧客の求める品質、機能を実現するための技術力は必要です。
それよりも、まずはお客様視点で物事を考えようとする姿勢は何より大事です。
今すぐには出来なくても、お客様とコミュニケーションをきちんと取ろうとする気概だけは持っていて欲しいと思います。

プログラムを書いたり、設計したりという場面においても「これは何の・誰のために必要なんだ?」という視点は常に持っていて欲しいです。

例えば、アジャイルで何度も顧客に機能を見せて改善を重ねるのが良ければそうします。
ウォーターフォールで予算と期間を何よりマストにすべきだと思えばそうします。
新しいから良いとか、自分がやってみたいからやる、とかではなく。
あくまで、顧客にとっての最適な選択を考えようとする姿勢であって欲しいなと思います。

最適な選択をするにあたっては、選択肢が多いに越したことはありません。
顧客にとって最適な選択を提案出来るようになるためにも、技術力を高め、新しい技術を身につけていって欲しいですね。

ありがとうございました。では、最後にこのインタビューを読まれる応募者の方にメッセージをお願いします。

金田:直に顧客とやり取りできるというのは、苦労も伴います。
簡単で楽しいことばかりでは、当然ありません。
きっとその苦労の先にはお客さんの幸せも、自身の幸せがあるのではないでしょうか。
そういった苦労だったら面白いと思ってもらえたら嬉しいですね。

岡本:エンジニアは転職に際して「自分の価値」と色々な意味で向き合うことになります。
その価値とは、コードを書いてきた経験の長さや、使ったことのある言語、ツール、フレームワークの種類の多さだけではないと思います。
自分がエンジニアとして生み出したものが、「社会にとってどれだけ価値のあることか」ということを、まずは自分に問いかけてみて欲しいです。

そうした価値を、会社やチームと一緒に追いかけられる環境がオープントーンにはあると思います。
皆様からのご応募をお待ちしております。