前回、書いたように一度プロジェクトの作業を止めて
「決めるべきこと」と「やるべきこと」を洗い出しました。
それぞれをタスク化して、担当と期限を決めて動き始めています。
そのもう一方できちんと議論しなくてはいけないことがあります。
それは「お金(コスト)」です。
今日はプロジェクトの成果指標となるQCDのうちのC(コスト)に関するお話です。
すべての作業はお金がかかる
人を集めて会議をしたり、課題票に記載してQAしたり、メールでやり取りしたり、設計書を作成してレビューしたり、コーディングしたり、テストしたり、リリースの準備をして、リリースをする。
プロジェクトで行うすべての作業には人が絡みます。
人がいるということはコストがかかるということです。
みなさんもよくチケット管理やガントチャート・進捗表による進捗管理を行われたりすると思います。
そしてタスクに人を割り当てることでプロジェクトの作業が進んでいきます。
スケジュールを作成して、要員がこれぐらい必要だと試算して、顧客と調整していきます。
一方で顧客側には予算があります。
このプロジェクトでどれぐらい予算を投じて、成果(リターン)がこれぐらい見込める。
それを経営会議やプロジェクト判定会議などコミットされる場で承認をもらって
プロジェクト着手ということになると思います。
※実際の現場ではそれを待っていたらスケジュールが間に合わないので
見切り発車ということも多いと思います。
このようにすべての作業にはお金がかかるわけです。
人に関わるコストは変動する
もちろん人の作業以外にハードウェアやインフラ、ファシリティなどなど
プロジェクトではいろいろなコストがかかります。
しかしながら上記のようなものはいったん見積りで承認をもらえたら
それほど金額が変わるということは少ないと思います。
問題なのは人に関わる作業のコストです。
簡単に変動します。
要件が変わって、設計からやり直し。
要件が決まっていないけど、設計・実装を進めてしまい、結局手戻りが発生。
セキュリティや性能が満たせず、再度基盤部分から設計見直し。
テストで不具合が大量に発生して、人の投入。
各種事情による人の変更
などなど
こうやって人に関わるコストは簡単に変動するのですが、
でもやっぱりコストから目をそらすわけにはいきません。
コストを出して、実績と比較する
いくらでもお金を使ってよいのは「プロジェクト」にはならないと思います。
限られた予算とスケジュールで最大限の成果(品質)をあげていくのが
「プロジェクト」です。
だからどんな方法(エイヤ!方式だろうが積み上げ方式だろうが、過去の実績参照などなど)で出したコストであろうとも、きちんと数字に落として、それを進捗とともにトレースしていくことが大切です。
そうやって日々、予算から実際に発生したコストが減っていくことを目の当たりにすることで
無駄な会議や作業を減らしていくことに実感が伴うのだと思います。
金額を出せないとしたら、「100%」を総予算として、残り「○○%」でもいいかもしれません。
そう、変動するならば少なくなる方向(=開発の生産性があがる方向)になるよう
プロジェクトマネージャは働きかけていく必要があるのだと思います。
私の現場に入った顧客側の新しいプロジェクトマネージャの方は
もうそれはざっくばらんにお金の話をしてくれます。
でもだからこそきちんとコストを意識しているなということが分かります。
そして自分も日々の忙しさにかまけてコストを忘れないで済むのだと思います。
皆さんの現場ではいかがですか?
コストは日々意識されていますか?